平成22年3月28日 塩沢山、鬼が面山、西ボッチ
今年はこれまで殆ど雪のない所を歩いてきた。今ごろは残雪期で藪が雪に隠れている。無雪期なら歩きづらい所もこの時期なら比較的楽に登れる山もあるだろう。幸いにもこの週末は冷え込んで、踏み抜きも少なくて済みそうだ。未踏の山でどのあたりがよかろうかと思案した。未踏ではないが、鴫内山、黒滝山、百村山の周回も以前から考えていた。27日に「中高年の山登りと温泉」のよっちゃんさんがそのルートを歩いたようで、9時間もかかったらしい。私は28日の夜にちょっとした用事があることから、もう少し短時間で行けそうな場所を考えた。以前「高原山探訪」のYoshiさんが辿った板室温泉から西ボッチまでのルートを参考に歩こうと決めた。
塩沢山(1127M)、鬼が面山(1262.1M)、西ボッチ(1410.1M)
板室自然幽学センターの駐車場に車を停めて歩き出す。橋を渡って温泉街に入り、上の原園地と温泉神社の案内に従って山のほうに入って行く。階段を登って行くと神社があり、その左手から登るとすぐにトイレ完備の園地に着いた。ここから先は板室温泉旅館組合の案内板を参考に左の行き止まりのはずの山道を選択する。
しばらく行くと道がなくなり、向かいの斜面を登ると本当の林道終点に到達した。発電所関連の建造物がある。ここから落ち葉の堆積した斜面に取り付く。急登を喘いで登り尾根に取り付くとはっきりした踏み跡があった。尾根を忠実に進んでいくと986mの基準点に向かって尾根は屈曲する。このあたりで道に残雪が見られるようになる。
塩沢山に向かって伸びる尾根を進んでいくと、標高1000Mくらいから残雪が続くようになる。しばらくは尾根の東斜面を進んでいく。山頂近くになると岩が目立ち西側は崖になる。ピークの西側から巻いて登りついた所が塩沢山山頂で、山部さんと栃木の山紀行の山名板があった。
ここからは無雪期なら藪こぎになる。鬼が面山へ踏み出すと少し笹が目立つが、進路を妨げるほどではない。残雪が藪を覆ってくれる。気温が低いためか踏み抜きはまったくなく、気分良く歩ける。尾根の西側を歩くと歩きやすい。途中で籔っぽくなるところもあるが、長くは続かず残雪を利用しながら進んで行けばいい。思った以上に楽に鬼が面山の南の遊歩道?に出られた。深山湖と沼原湿原とを示す案内標識が半ば雪に埋もれていた。
前方の高みが鬼が面山だろうと斜面を登ると大きな水槽のような建造物があった。この裏側の高い所がおそらく鬼が面山に違いない。左から廻りこんで登って行ったが、山名板には気がつかなかった。GPSで見るとこのあたりのはずだが。仕方なくさらに東側の高い所まで行ってみたが何もない。引き返して建造物の周囲の笹籔も見てみたが何もなかった。もう一度最初に登りついた場所をよく見たら、山部さんの山名板が周囲を笹に囲まれた木に付けられていて、雪の上50cm位のところに見つかった。10分以上右往左往してしまった。
このころになるとガスってきて、雪もパラついてくる。長居は無用で先ほどうろうろした東のピークから尾根伝いに行けば沼原に行けるはずだ。残雪は歩きやすくここからは遊歩道が整備されているようだった。所々歩きづらい所には橋?のようなものが取り付けられていた。ここは無雪期でもスムーズに歩けるだろう。
1304mピークを過ぎて、沼原湿原の標識を見て適当に下って行くと調整池周囲の柵が見えてきた。西ボッチを目指して北に向かって歩きやすそうな場所を進んで行く。地形図にある林道入口のさらに北に行くと台座のようなものがありさらに北に行くと同じ台座のようなものがもうひとつあった。このあたりから取り付こうと足元を見るとスノーシューの跡が2つほど沼原湿原から西ボッチの山頂に向かっていた。
ほぼ同じところを歩こうとしたが、スノーシューの跡は滑りやすく、そこから少し外れたところを歩いた。そのうち自分の歩きやすそうな所を斜面を見ながら登って行った。この斜面は少し滑りやすく、アイゼンを履いたほうが歩きやすかったかもしれないが、ザックを下して取り付けるのも面倒なのでつぼ足で登って行った。想像していたよりも急な斜面で歩き始めてから時間も経ってきているので、休み休み登った。傾斜が緩やかになると前方の木に山名板が見えてきて、そこが山頂と分かった。スノーシューの跡はさらに北に進んでいるようだったが、疲れていてその先に行く気はまったく起きなかった。
だいぶ疲れた。後は大きな登りはないはずだ。ここで初めて水分補給をした。夏なら既に1リットル以上は飲んでいるだろうが、この寒さではのどもさほど渇かない。500mlのペットボトルを半分ほど飲みほして下りにかかった。下りはあっという間で、自分のトレースをたどるようにして台座のところまで10分足らずで戻ってしまった。
ここからは普通は調整池の北へ進むのだろうが、何も考えずに南のほうに向かってしまった。柵にそって行くと調整池の南に廻りこんで行く。谷を越えて東側に登れば舗装道路に出るはずだが、下側(南側)を見ると道が見える。谷はやや急だが、締まった雪もついていて何とか降りられそうに思えた。つかまるものがない所はそっと下りて、石の多い所は慎重に石を頼りに何とか道に下りられた。この道は鬼が面山に向かう道で、左に進んで行くと舗装道路に出られた。
ここからは舗装道路を所々ショートカットしながら下りて行った。1007m地点からは遊歩道を進んだ。しばらく行くと乙女の滝と板室温泉の分岐があった。最後に舗装道路を歩くことになるが、乙女の滝見物も悪くないと考え、直進した。一部、道が崩壊している場所もあったがそれほど危険な目にあわずに通過でき、下見えていた沢名川が近くなると旧会津中街道沼原登山口5.4kmの標識のある場所に出た。
乙女の滝に寄ってみたが、滝壺まで下りて登り返すのが疲れた身には堪えた。
この後は延々と舗装道路を歩いて戻った。歩き始めた時は駐車場には自分の車の含めて2台しかなかったが、戻ってきたときには温泉に来た人の車でいっぱいだった。
無雪期では藪こぎしなければならないコースをいい時期に登れたようだ。気温も低かったので踏み抜くこともなかった。このコースを導いてくれた「高原山探訪」のYoshiさんに感謝します。有難うございました。
板室自然幽学センター(727)-塩沢山(923/936)-鬼が面山(1005/1018)-西ボッチ(1124/1134)-乙女の滝・板室温泉分岐(1301)-乙女の滝(1325)-板室自然幽学センター(1414)
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