逆川山~高峯~仏頂山~鶏足山三角点峰~焼森山(平成27年1月10日)
この冬ちょっとこだわっている栃茨県境尾根歩き。前回の八溝山ルートと同じくらい歩きたかった仏頂山から鶏足山の尾根歩きをしてきました。以前からコース取りに悩んでいましたが、茂木町中小貫地区の西にある地形図無名334.7m三角点峰の逆川山を知って、当初はここを登ってから一旦集落に下り、仏頂山へは北西側から登って県境尾根を辿ろうかと考えました。この冬こそはと数か月前に改めて地形図を眺めていると、林道には分断されているものの高峯と逆川山は尾根続きになっているのに気づきました。ここを繋げて歩けばあまり道路歩きをせずに済みそうです。ただ如何せん距離があるので時間がかかります。
最初は逆川山を北東尾根から登ろうかと思ったのですが、時間短縮の意味もあってしぼれさんの記事にあった駐車場所をグーグルマップで確認してそこに停めることにしました。これでルートが決まり、10時間の歩きになると大雑把に見積もりました。この時期日の出から日の入りまで10時間くらいでしょうか。人里離れた山であればまだ暗いうちからヘッドランプを点けて歩くことも可能ですが、里山でそんなことをしたら怪しまれてしまいます。ですので明るくなってからでないと歩き出せません。初日の出を見に歩いた時の経験から6時半を過ぎれば明るくなってくると思われますが、あまり早いと集落の人達の迷惑になりかねませんので、7時を歩き出しの時間に設定しました。10時間というと17時の到着になります。そこで今回数か所に撤退時間を設定し、そのポイントの設定した時間を過ぎたらエスケープすることに決めました。いつもは行き当たりばったり的な歩きですが、今回は自分にしたらかなりの綿密な計画になりました。
逆川山(334.7M)、高峯(519.6M)、仏頂山(430.8M)、鶏足山三角点(430.5M)、焼森山(423M)
前日22時過ぎまで仕事でしたので、寝たのは23時半ごろ。それでも朝3時過ぎに目が覚めました。いくらなんでも早すぎます。またうとうとして4時半ごろに布団から出て、朝ご飯を食べたりして5時半前には出発できました。駐車地に着いたのが6時半過ぎ。だいぶ明るくなっています。支度をして歩き出しは6時50分になりました。まだ明るい月が見えていました。
安養寺入口の石柱を見て進み、二荒山神社の石の鳥居の所から入ります。
社の右手から、左に安養寺とお墓を見ながら進んで行きます。200m付近からは踏み跡が出てきます。下の方で犬の吠えるのがずっと聞こえて、何か戒められているように感じてしまい、気が急いて早く登ろうとしますが足がなかなかスムーズに出て行きません。ピークに着いて三角点はすぐ目につきますが、山名板は見当たらなかったので、ないのかなあとぐるっと見渡すと栃木の山紀行さんの板がありました。
南西に進みます。次のピークで早くもルートミスです。修正して進み、枝の煩い藪を進んで行きます。破線の合流するピークの手前で明瞭な踏み跡が出てきました。少し進むと何故か地面にロープがありました。よく見ると木にもかかっていました。
先に進むと踏み跡は明瞭になり、伐採地に出ました。向かいの山の奥に男体山が見えました。
ここから伐採地の縁を歩くのが正解ですが、わざわざ藪に突入して文字通り痛い目に会ってまた軌道修正します。雑木の薮を進んで行くと、389Pは木のない平坦な場所でした。何かの跡地でしょうか。
ここは突っ切って進みます。389P付近でやや丈の高い笹が出てきました。慎重に進路方向を南に変え、右手に雨巻山を見ながら、笹の中にあるしっかりした踏み跡を進むと舗装部分で、10mほど歩くと林道に出ました。
(雨巻山だと思います)
ここで水分補給の後歩き始め、向かいの登りやすそうな所を探していたら、軽トラックが西からやってきました。広い所でUターンしてきて窓を開けてこちらに話しかけてきました。猪の被害状況確認といったところでしょうか。こちらは山歩きと伝えました。ついでと言ってはなんですが、向かい側に登れる場所はないのか尋ねたら、西に少し行ったところに階段があるよと教えてくれました。後は尾根伝いに行けば高峯まで行けるよとも。鉄砲撃ちはいないかとも聞きましたが、今は鉄砲をやる人も殆どいないよとのことでした。お礼を言ってお別れしました。折角教えていただいたのですが、遠目に見ても階段らしきものは見えないので、東の方に行ってみましたが、こちらもガードされて登れそうな所は見当たりません。そこでしばらく西に行ってみたら階段がありました。有難うございました。
階段を登って急な所を登ると稜線に到達。ここからのルートはつい2日前にみー猫さんの記事を発見して、442Pが平坦になっているのだけは記憶していました。ここから442Pまでは踏み跡がしっかりしていて藪はないと言っていいでしょう。442P手前の石祠がある所は周囲が堀切になっているように見えました。
ちょっと進むと平坦地です。さっきの389Pと同様です。
ここからの下りが分かりづらかったです。高峯に近づくと笹が出てきますが、道はしっかりとしています。県境稜線に乗る手前に太平洋の見える場所がありました。尾根に乗って右に行って高峯山頂。3回目ですね。
ここまで3時間と見込んでいましたが、ちょっと余裕をもって到着できたようです。10分ほど休みました。これから歩き出そうとしている時に単独の男性が西からやってきて、すぐに先に進んで行きました。こちらも歩き出し、男性は展望地に寄ったようですが、階段を下りている途中にあっという間に追い抜いて行きました。(その後も会うことはなかったので仏頂山ピストンではなく、どこかへ下りたのでしょうね。)
仏頂山への道は3回目。昨年は雪の後で難渋しましたが、今回は道も乾いていて落ち葉に気をつければいいだけです。奈良駄峠付近からは筑波山らしき山が良く見えていました。仏頂山への途中にある伐採地からは日光の山は良く見られませんでした。仏頂山到着です。誰もいません。(今回の歩きで山の中で会ったのは先の高速男性だけでした。)思いの外喉が渇きます。メンチカツパンとみかんを食べて腹ごしらえしますが、それ以上食べる気はあまりしませんでした。
また10分ほど休んで先に進みます。ここからが肝です。仏ノ山峠まで藪はそれほどでもなく、道もわかるだろうと高をくくっていたのですが、とんでもない思い込みでした。280m付近までは藪もきつくなく道も比較的はっきりしていましたが、進路が東から北に曲がる所で踏み跡が北についているにも関わらずそのまま東に進んでしまったようです。先はどんどん下って行きそうなので間違えに気づき北の方にトラバースしてどうにか踏み跡に出合いました。道を間違えるとどんどん時間が経過していきます。今度は255Pの先です。踏み跡は右斜め方向と直進方向についています。右側の方が正しそうに思えましたが、下って行くので間違えた時に登り返すのは嫌だなあと思い、平坦な直進方向に進みました。先に進んでもその先に高い所は見えません。やはり右が正解でした。戻って正規の道を進みました。
(右斜めが正しいルート)
この先が藪の本番でした。雑木や篠竹です。篠竹の中に踏み跡のしっかりしている所もあるようですが、そこをはずすと厄介でした。
(ここはマシ)
どうにか通過し右手に墓が見えてきました。ここから降りましょう。階段を下りきって道路に出て振り返ると六地蔵の文字がありました。見逃しました。
仏ノ山峠到着です。タイムリミット設定は12時15分。早く出発したこともありクリアです。少し水分補給をしてリスタートします。茨城側は登れそうにないので、栃木側に進みます。ガードされた法面の途切れる所から取り付けそうですが、その先がどうでしょうかという感じです。水準点の文字が見えたちょっと左手から何となく入ってみました。
入って数mは藪が強いですがその先は問題ありません。急な所を登ると踏み跡が出てきました。ちょっと笹の煩い所がある程度です。ロープの張られたちょっと向こう側に三角点があり、ごめんなさいをして記念撮影してすぐに退散しました。
323P周辺は少し笹がありました。倒木、雑木、笹などの薮がある所としっかりと踏み跡のある所と様々な場所を通過していきます。破線路の横断する270m級ピークは笹が高くちょっと進路が分かりにくい所でした。
その先はそれほどでもなく、急な斜面を下りて茨城側の道路に降りました。時間はまだ13時半。これでよほどのアクシデントがない限り、暗くなる前に戻れそうです。でもゆっくりはしていられないので向かいの取りつき場所を探します。茨城側は取り付いた後の登りがきつそうに感じたので、栃木側の傾斜が緩く見える場所から取り付きました。判断ミスでしたね。ほんの短い距離でしたが、ちょっと格闘してしまいました。
格闘が終了すると落ち葉の斜面を登っていきます。踏み跡がしっかり多分茨城側からついていました。ここは茨城側から登るのが正解のようです。登りきると三角点。控え目です。
低い笹もいつしか終わり、東に313Pを分ける所には鉄の棒が立っていました。この先も楽をさせてはくれません。倒木や木の枝が厄介です。
少し登りになった320m付近は西側が伐採されていて今日歩いてきた所が多分見通せていると思われます。逆光になり見づらいですが。だいぶバテてきました。ゆっくり登っていくと下小貫を示す板に出合いました。ここからはもう通常ルートです。安心しました。斜面をトラバースするように登っていくと稜線に出ました。鶏足山方面に行ってみました。
道は少しぬかっている所もありました。三角点峰への登りが堪えます。三角点峰に到達しました。
今では北のピークを鶏足山としているようですが、帰りの登り返しがつらいので今日はここで引き返します。戻る途中で日光の山が見える所がありましたが、霞んでいました。一応焼森山には行っておきましょう。途中で振り返ると太平洋が見えました。(もちろん山頂からも見えます。)
少し登って山頂です。高原山が見えました。今日歩いてきた山々も見えていました。
さあ後は下りるだけです。さっき登って来た所を下りて道標に従って登り口に着きました。鶏足山と焼森山のマップがありました。この周辺は工事中のようでした。30分ほど歩いて車まで戻りました。鶏足山をパスしたこともあって想定時間よりも早く戻ることができました。とても疲れました。
取り敢えずこの冬の栃茨県境尾根歩きは今回で終わりです。また今年の12月ごろからまだ歩いていない所を検討して歩いてみましょう。
駐車地(25分)逆川山(1時間20分)林道出合(50分)高峯(1時間10分)仏頂山(50分)仏ノ山峠(1時間35分)林道出合(1時間)鶏足山三角点(15分)焼森山(30分)登山口(30分)駐車地 休憩込9時間
« 八溝山(檜沢林道から県境尾根を辿って)(平成27年1月3日) | トップページ | 寅卯山と假庵ノ頭(平成27年1月18日) »
「県央部・県東部の山」カテゴリの記事
- 羽黒山(平成30年2月24日)(2018.02.26)
- 男抱山(平成30年2月11日)(2018.02.16)
- 中尾根~559P~鞍掛山~長倉山(平成30年1月3日)(2018.01.04)
- 雨巻山(堂ヶ入沢親水公園から尾根コースを適当に繋いで)(平成29年12月30日)(2017.12.31)
- 篠井冨屋連峰(平成29年12月9日)(2017.12.10)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
« 八溝山(檜沢林道から県境尾根を辿って)(平成27年1月3日) | トップページ | 寅卯山と假庵ノ頭(平成27年1月18日) »
こんばんは。
けい足山には下小貫からピストンしようと目論んでいる私には、”耳の痛い”記事でした。
途中、部分的にルート取りが難しいところがあるみたいですね。年明け早々のロングトレイル2連発、お疲れ様でした。
今回も、私に内省を促すような参考になる記録、ありがとうございました。
投稿: ななころび | 2015年1月11日 (日) 20時18分
ななころびさん こんばんは。
今年は年明けから長めに歩いてしまい、この後息切れしてしまうのではと危惧しています。
鶏足山からも太平洋は見られますので、天気の良い時に行かれるとよろしいかと思います。
今年も会津の山開きめぐりには行かれるのでしょうか?
投稿: 野球親爺 | 2015年1月12日 (月) 00時04分
野球親爺さん 前回に引き続き,ロングトレールですね。烏ケ森さんに匹敵するこだわり歩きですね。感想はななころびさんと同じです。それにしても茨城,栃木県境は篠竹薮が多いんですね。なかなか後追い出来ないです。頭が下がります。
投稿: ノラ | 2015年1月12日 (月) 18時08分
こんばんは。
度々のコメント失礼します。今年も会津山開きは、いろいろ行ってるつもりです。
ただ、バッジ欲しさに闇雲に参加というのもどうかと思うので、行きたい山、季節をよく考えて、また歩くコースも特に指定されていないので、逆回りとかバリエーション歩きもいいかなと考えています。
福島は未踏ばかりなので、山開きを通じて山以外にも文化の面まで見聞を広めてみたいです。
投稿: ななころび | 2015年1月12日 (月) 19時02分
ノラさん こんばんは。
地形図を見るとどうしても尾根を繋げないかと考えてしまいます。
烏ケ森の住人さんには遠く及びませんが、もともと山歩きを始めたころから記事を参考にさせていただいていましたので、ルートのとり方はどうしても似てしまいます。
県境には確かに篠竹が多いですね。この冬でだいぶ慣れたかもしれません。
投稿: 野球親爺 | 2015年1月13日 (火) 21時32分
ななころびさん こんばんは。
私も厳選して会津の山開きに行きましょうかねえ。
人が多いのがやはり難点です。
投稿: 野球親爺 | 2015年1月13日 (火) 21時36分
こんばんわ。
仏頂山の周回をどうしようかと思っとりましたが、最初に野球親爺さんのを見ればよかったですね。平坦地はなんでしょうかね。神事でも行うのかなとも思ったのですが・・・茨城との県境は地味に史跡も見かけるようで、なかなか味わいありですね。
投稿: みー猫 | 2015年1月14日 (水) 01時18分
みー猫さん こんばんは。
みー猫さんの記事を参考にさせていただきました。
平坦地がもう一つあったのには驚きました。神事ですか。なるほどですね。
この辺りの県境歩きは少しマニアック過ぎるかもしれませんね。
投稿: 野球親爺 | 2015年1月14日 (水) 20時41分
野球親爺さん こんばんは
情報ありがたく、さっそく18日に歩いてきました。画像整理が終わったのでアルバムにアップ、442Pはお城だとすれば新発見と思われますが、とりあえずトスしてみます。
投稿: しぼれ | 2015年1月19日 (月) 21時24分
S&Pさん こんばんは。
早速の調査有難うございます。
アルバムを拝見しましたが、見る所がやはり違いますね。
私は単に堀切のようなものがあると城かと思ってしまいます。
お騒がせネタだったら申し訳ありません、ですね。
投稿: 野球親爺 | 2015年1月19日 (月) 22時08分
野球親爺さん こんばんは
何らかの中世の遺構に間違いなさそうですが、残念ながらお城ではないとのことでした。平地の奥に凹凸(防御施設)がなかったので気になっていたのですが、難しいものです。
また堀切などがあったらよろしくお願いします。
投稿: しぼれ | 2015年1月25日 (日) 20時59分
しぼれさん こんばんは。
本当にお騒がせしてすみませんでした。
しぼれさんにも栃木県の中世城郭管理人さんにもお手数をおかけしてしまい申し訳ありません。
自分でも勉強しないといけませんね。
またご指導よろしくお願いいたします。
投稿: 野球親爺 | 2015年1月26日 (月) 00時16分