久しぶりに裏那須のニッコウキスゲを見たくなり、峠の茶屋から三本槍岳を経由して三倉山三角点峰まで歩いてきました。前回は7年前の山開きの翌日に日暮の滝付近から三倉山山頂までピストンしています。今回ニッコウキスゲがかなり見事に咲いているように思いましたが、前回の写真を見返してみると、前回も結構咲いていました。ニッコウキスゲは年によって当たり外れの差が大きいように感じていますが、今年は当たり年なのでしょうかね。その道のエキスパート?の方にお聞きしないといけませんでしょうか?いやあ花もいっぱいでしたが、人もいっぱいでした。
三本槍岳(1916.9M)、流石山(1822M)、大倉山(1885M)、三倉山三角点(1854.1M)
ある本によれば1888m峰を本峰(二ノ倉)、そのすぐ北西のピークを一ノ倉、三角点峰を三ノ倉として三つのピークを合わせて三倉山と呼ぶとなっています。そう言われればまさしくそういう風に思います。三倉山本峰には唐沢山(空沢山)側からと大峠側からと1回ずつ登っています。本峰は福島側にありますので栃木側から登る理由はないのですが、三倉山三角点峰は栃木と福島の県境にありますから、できれば栃木側から登ってみたいなあと思いました。実は9年前に峠の茶屋から大倉山まで歩いています。その時には栃木側から登るとか、県境尾根を歩くとかまったく拘っていなかったので、三倉山方面にわざわざ行くことはしませんでした(花も期待できそうにないなあと思ったのでした)。その時に歩いていれば今回三倉山三角点峰まで行かなくても良かったのですが・・・。
前回は今回とは逆に三本槍岳を後に登って戻っています。9時間半ほどかかりました。その時の登り返しがえらく堪えた記憶があって今回は先に三本槍岳に登ってから流石山方面に登ることにしました。でも大峠から三斗小屋温泉経由で峰の茶屋に行くまでもかなり登り返しがあるんですよね。昨年経験しているのに甘く見積もってましたというかもう忘れてました。まあそれだけの理由ではないですけれど、予想では10時間ちょっとかと思っていたのが、11時間近くの歩きになってしまいました。峰の茶屋まではいつまでもあると思うなお金(?)と体力との言葉が頭の中で反復しながら歩いてました。
前置きが長くなりました。6時頃に峠の茶屋の駐車場に着きました。結構車は停まっています。快晴です。歩き始めるともう降りてくる人がいるんでね。4時に歩きだし三本槍岳まで行ってきたと言うご婦人もいらっしゃいました。峰の茶屋から見る流石山から三倉山へと続く稜線ははるか遠くにあるように見えました。あそこまで行くのかあ。

朝日岳には寄らずに進みます。所々にヒメシャジンが咲いてました。オトギリソウやニガナもあります。三本槍岳には8時過ぎに着きました。この時間ですから数人いるだけです。

ここから見るとこれから辿る稜線はだいぶ近くなってきました。なんか圧倒されます。

遠くに見える飯豊連峰はまだたっぷり残雪があるようです。磐梯山、吾妻連峰、安達太良山は霞んで見えました。会津駒ヶ岳、燧ケ岳、日光の山々も遠目に見えます。旭岳はこの日色々な角度から見えましたが、三本槍岳から見る形が一番いいような気がしました。

腹ごしらえをして先に進みます。下り始めてすぐにハクサンチドリがありました。鏡が沼を見ながら大峠に向かいます。ここはニガナ街道と言っていいようなニガナの宝庫?ですね。道の両脇に沢山咲いていました。

下って行くとお花畑の様相でヒメシャジン、ハクサンフウロ、ウスユキソウ、さらにはニッコウキスゲのお出ましです。大峠が見える場所に来て、そちらを見るとあらら団体さんでごった返しています。まあ仕方ありませんね。こちらが大峠に着くと団体さんは出発した後でした。時間調整のためもあり、またここで休憩しました。

さあ登り返しです。色々な花が咲いています。少し上の方に行くとお目当てのニッコウキスゲが咲いていました。


一旦少なくなってまたさらに登るとまた群生していました。

今が見頃なんでしょうかね。傾斜が緩くなって稜線に出ると空中散歩といった感じの歩きになります。団体さんの後ろについて歩いているうちに両方の太ももが攣りそうになってしまいました。脱水症でしょうか。この日は4Lの水分を背負ってきています。もう2L近く消費してしまいました。目的地まで行くと足りなくなるのは目に見えていますが、また別の機会に来るもの大変ですから行ける所まで行きましょう。流石山の標柱のある場所は20人ほどはいたでしょうか。

(帰路で撮影)
こんな所で休めませんから、先に進み1822P近くの休憩適地まで行って休みました。腰を下ろすとヒメシャジンが咲いているのに気づきました。遠くを見ると調整池とダム湖が目に入ります。

ここで改めて水分量を確認すると、もう2Lを切ってしまってました。やばいですね。休んでいると荒い鼻息が聞えました。まさか熊じゃないよねと、恐る恐る振り返ると体格のいい女性でした。ビックリしました。結構大倉山方面から来られる方がいたんですね。失礼いたしました。
先に進みましょう。沢登りをしてきたと思われるパーティーが数組いました。こんな日は沢はいいでしょうね。経験がないので分かりませんけど。ニッコウキスゲはこの付近の道端にも咲いていました。

シャクナゲも目につきます。キスゲ小沼付近のコバイケイソウは最盛期は過ぎたようです。

近くにはニッコウキスゲが咲いていました。

(遠くに三倉山本峰)
道がぬかるむと五葉の泉が近いです。周囲には今は目立った花はありませんでした。

(帰路に撮影)
1885Pに大倉山の標柱がありました。日陰で休んでいる人達がいました。休まず三角点峰まで行きましょう。

(帰路に撮影)
三角点峰まではアップダウンが少しだけですがあります。これが堪えますね。周囲の景色がいつも見慣れたのとちょっと違って見えます。二岐山はちゃんと二つになってました。旭岳は穏やかな山容に見えました。飯豊も見えるんですね。三角点峰から西に延びる県境尾根を確認します。かといってここを歩くことはない可能性の方がかなり高いですけどね。

少し登って三角点峰に到達です。標石しかありません。

取り敢えず腰を下ろして休みます。丁度12時です。三倉山本峰が聳えて見えて、歩いている人の姿も良く見えますが、今回は時間切れ、燃料切れでここまでが限界です。

(三倉山本峰の雄姿)
水分はセーブして飲んでいるんですけど、残1Lを切りました。厳しいです。後4時間以上はかかるでしょう。頼りは三斗小屋温泉の水ですね。そこまでどうにか頑張りましょう。それにしても暑いです。眺めはいいですけどね。
帰りも大倉山はパス、流石山までの登り返しがきついです。どうにか流石山に到着。人は数人だけなのでここでまた休みます。もう殆ど水はないと言っていいくらい。下りは普段はあまり水分を必要としないことが多いですが、登りで脱水気味だったのがそのまま持ち越しているので喉カラカラ状態で歩いているせいでしょう。殆ど写真を撮る気力もありませんが、それでも大峠への下りで撮りました。

(山頂部の欠けた旭岳でごめんなさい)

大峠からは三斗小屋温泉に向かいます。水はもうありません。こちらにもほんの少しキスゲはあるんですね。ヤマオダマキが咲いてました。一つ目の沢を渡る時に顔を洗いましたがリフレッシュなどできませんね。右の踵が痛いので靴を脱ぐと靴擦れで皮が剥けてます。別にいつもの履きなれた靴なのですが何ででしょうね。絆創膏などは持ってきていないので我慢するしかないです。3つ目の沢で我慢できずに水を数口飲みました。ここから三斗小屋温泉までの登り返しはきついの一言です。三斗小屋宿跡への分岐に着くともうすぐ温泉です。煙草屋の方にお水をいただきますと声をかけ一気に1Lも飲んでしまいました。

生き返りました。ペットボトルにさらに1L水を汲んで進みます。峰の茶屋までの登り返しが懸念材料ですが、ここまで来たらどうにかなるでしょう。延命水くらいまでは殆ど登りはありませんが、その先から徐々に登り、避難小屋からはさらに登りがきつくなります。樹林帯を抜けるとガレた道を登ります。

峰の茶屋も人影まばら。当たり前ですね。もう午後の4時半ですから。いつもは足早にここから峠の茶屋まで下りて行くんですが、転倒したらたまりませんから慎重にゆっくりと戻りました。車に戻った時には歩き出してから殆ど11時間もかかってました。予定よりも1時間近くかかってます。
無謀な歩きはしないようにしましょう。いつまでも若くありませんからね。と自分に言い聞かせる歩きになってしまいました。10時間の歩きだと少なくとも5Lの水は必要だということが分かりました。というか今まで分かっていなかったのかと自分でも不思議です。
今回の歩きで見かけた花々です。















峠の茶屋(2時間5分)三本槍岳(1時間)大峠(1時間5分)流石山(55分)大倉山(15分)三倉山三角点峰(1時間)流石山(35分)大峠(1時間25分)三斗小屋温泉(1時間5分)峰の茶屋(25分)峠の茶屋

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